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薬物乱用頭痛って?
「薬物乱用頭痛」ってご存知ですか?
なんか薬物乱用って穏やかでは無いような感じですが…?
簡単に申しますと、”慢性的な頭痛持ちで頻繁に痛みに襲われ、その都度鎮痛剤を服用してしまうタイプの方が陥りやすい状態の頭痛”です。
もっとも痛みには耐えきれませんので鎮痛剤を呑むのは当然とは思いますが…。
【なにが問題なのか?】
鎮痛剤への依存性が高まり、今迄の頭痛に加え+αで痛みが強まってしまう事や痛みに対して過敏になってしまう事です。
また鎮痛剤の長期的な服用は胃腸障害や肝機能障害、腎機能障害、出血しやすくなる(血が止まりにくい)等のリスクの可能性があります。
ですから、先ず必要なのは薬物乱用頭痛から離脱し加算された痛みを無くして、一旦通常の頭痛に戻してから頭痛の治療に入る必要があります。
【薬物乱用頭痛の診断基準】
①月に15回以上、頭痛がある
②3か月以上、継続して月に10日、若しくは15日以上鎮痛剤を服用している(薬によって基準が変わります)
③鎮痛剤を乱用している事で頭痛が悪化している(他に要因が無い)
【このような方は注意】
●最近、鎮痛剤の効果が弱くなって来た感じがする
●頭痛が前よりひどくなって来た
●頭痛の頻度が高まって来た
●鎮痛剤が効かない
●朝起きた時から頭痛がする
●痛む場所が以前と違う事がある…など。
★月に数回鎮痛剤を呑む程度では該当しませんので一安心とは言えると考えられますが、頭痛のみならず例えば女性なら生理痛の際、服用したり別の痛みがあり服用されている方は服用回数が加算されますのでご注意です。
【鎮痛剤のタイプ】
薬物乱用頭痛は医師から処方された鎮痛剤であっても、市販薬でもどちらでも起こりえるのですが、気軽に購入し服用出来るのはやはり市販薬でしょうか?
ロキソニンやらイヴやらセデスやら多種類ありますね。
また薬のパッケージの裏側や添付書に成分表が記載されていますが、主成分が複数含有されていたり無水カフェインが含まれているタイプの鎮痛剤が薬物乱用頭痛のリスクが高いと云われています。
このカフェインも依存性が高まりやすい要因の一つと云われており、鎮痛剤以外でも総合感冒剤(市販の風邪薬)や栄養ドリンク、清涼飲料水(エナジードリンクやトクホのお茶など特に含有量が高いです)、コーヒーなど日常で比較的摂取しやすいものにも含有されておりますので鎮痛剤を摂取している方は要注意です。
【薬物乱用頭痛が疑われたらどうする?】
薬物乱用頭痛の可能性のある方はもちろんのこと、頻繁に頭痛がある方と言いますか、頭痛持ちの方はぜひ医療機関を受診して下さい。
今迄に内科を受診して鎮痛剤を処方された経験のある方もいらっしゃるかもしれませんが、受診先は内科ではありません。
基本的に『頭痛外来』を標榜しているか、『頭痛専門医』のいる医療機関(病院やクリニック)を受診しましょう。
MRIなどの画像検査を受け重篤な疾患が無いか確認し、本来の頭痛が片頭痛なのか緊張性頭痛、あるいは合併タイプなのかなどを診断して頂きましょう。
治療としては今迄服用していた鎮痛剤を止め、依存性の少ない頭痛薬や頭痛予防薬などを処方されます。
また頭痛ダイアリー(日記)の記入を勧められたり、普段の日常生活のアドバイスを受ける事もあると思います。
ただし残念な事に『頭痛外来』を標榜している、『頭痛専門医』のいる医療機関はそれほど多くは無いんです。
基本的に脳神経外科医や脳神経内科医のドクターが担当しています。
ちなみに当院のあります成田市内及び近郊ですと
●鳳生会 成田病院
●国際医療福祉大学 成田病院
●日本医科大 千葉北総病院(印西市)
●みつば脳神経クリニック(佐倉市)
等でしょうか。
(各医療機関は要問合せ、他の医療機関は申し訳ありませんがちょっと分かりません)
最後になります。
ワタシの経験上ですが頭痛に限らず、痛みの出る症状に対して鎮痛剤を長く常用している方(常用していた方)は症状の回復改善に手間取ることが多いように思われます。
なかなか薬の服用方法も難しいことがありますね。