ブログ
ちょっと血圧2
前回の記事からご無沙汰になりましたが、続編です。
【血圧が高いとなにが問題か?】
これは動脈硬化が進行するリスクがあるからと云われます。
つまり脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの血管系疾患のリスクが高まりやすいというわけですね。
また他の要因で動脈硬化が進めば高血圧を悪化させるという悪循環を招いてしまいます。
高血圧の数値が~というより、ともかく動脈硬化は極力避けたいものです。
【動脈硬化の検査】
中高年世代で血圧が心配という方や遺伝的に心臓疾患や脳血管障害、糖尿病(現在、糖尿の人も)などある家系の方。
ぜひ頸動脈エコーや血管年齢検査(動脈硬化)と呼ばれるABI(エービ―アイ)検査やCAVI(キャビィ)という検査で調べて頂きたいものです。
全ての医療機関で実施している訳では無いので要検索&要問合せ(循環器内科や一般内科でも実施している医療機関がありますが全体的には少ない感じ?です)
ただし血管年齢だけを目的にした場合は保険対象外になるので自費診療となります。
【高血圧に症状はあるか?】
よくサイレントキラーと言われることもあるようですが、人によっては症状がみられる場合があります。
●頭痛 ●頭重感 ●頭がボーとする ●頚肩こり ●めまい ●ふらつき感 ●疲労感 ●動いた時に息切れ ●朝の起床時に頚や肩が重い凝った感じ(夜間高血圧の可能性)など
これらの症状の特徴としては血圧が下がる(下げる)と改善する点ですので、血圧が下がっても残る場合は他の原因が考えられます。
【上の血圧、下の血圧】
血圧を尋ねた時、両方を答える方は割と少なく上の血圧のみ答える方が多いのではないでしょうか?
どちらも大事なんですけどね。
ちなみに上の血圧(最大血圧、収縮期血圧)と呼ばれ、下の血圧(最小血圧、拡張期血圧)と呼びます。
そして最大血圧(上)から最小血圧(下)を引いた数値を『脈圧』と呼びます。
この脈圧など気にされる方は少なそうですが、これも大事ですよ、単純に「上の血圧が高い」かどうかだけでは無いです。
●脈圧は60㎜以下が目安で出来れば40~45㎜位が良いです。
●65㎜以上の方は動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞など要注意です。
また年齢的には比較的60才以上の高血圧の方に起こる可能性が高く、主に太い血管(大動脈など)に動脈硬化の進行があると 、下の血圧はなんと逆に下がって来る場合がありその為、脈圧の数値が高くなるわけです。
ですから下の血圧も「低いから大丈夫」では無いんですよ。
では50才未満の方の場合はどうか?
下の血圧が高い方ほど細い血管(末梢血管)の動脈硬化が進行している可能性があります。
一般的に動脈硬化は末梢の細い血管から進行していきますので、放置しておけば次第に全身の細い血管に拡がってしまいますので心臓に負担をかけたり脳の細い血管で生じれば微小脳梗塞のリスクがあります。
若いからといって油断は出来ませんよ。
ちなみにこのような細い血管の動脈硬化の指標として『平均血圧』というものがあります。
算出法は「下の血圧+(上の血圧-下の血圧)÷3」です。
例:上の血圧が160,下が70の場合、計算式は「70+(160-70)÷3」となります。
①160-70=90
②90÷3=30
③70+30=100
平均血圧=100㎜となります。
「平均血圧」と「脈圧」は年齢に比例して上昇します。
●健康な方の平均血圧の目安は90㎜程度。100㎜以上は細い血管に動脈硬化が起こってきている可能性あり。110㎜以上の方は進行している可能性が高いと考えられます。
更に「腕の血圧の左右差」というものもあります。
本来、健康な方は左右どちらの腕で測定してもほとんど差はありません。
●左右差が10㎜以上ある場合、動脈硬化が進行している可能性あり。
● 〃 20㎜以上ある場合、要注意です。血圧が低い側のどこかで動脈硬化が進行し、血管がかなり狭くなって来ている可能性が高くなっています。
また左右差が大きい方ほど生活習慣病が多い傾向がみられています。
それにもっと重大な問題である「大動脈瘤」なども懸念されますので要注意です。
普段、血圧の左右差など健診や医療機関を受診しても計測することはありませんので、ご自宅で少なくとも年に1~2回は調べてみますことをお勧めします。
そして左右差が大きい場合は循環器内科(または内科)を受診し、詳しく検査して頂きましょう。
最後になりますが、「血圧」という言葉が気軽にありふれたように使われているので単純に高いとか低いとかで終わってしまいがちですが、実はなかなか大事な問題ですよ。