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膝に水が溜まる件
膝などに水が溜まることがあるのはご存じですか?
経験済みの方もいらっしゃるかも知れませんね。
本来、どんな人でも関節内に水(関節液)がありまして、分泌と吸収を繰り返しているので溜まるということは無いですが、何らかの原因で炎症が起きるので水が溜まってしまう訳です。(関節水腫といいます)
【考えられる疾患(順不同】
①外傷性のもの(靭帯損傷や半月板損傷、骨折など)
②変形性膝関節症(中高年以上の方がなりやすく、軟骨が……とよくいわれるものです)
③痛風(尿酸結晶が沈着、足の親指の付け根付近が痛むことで有名ですね)
④偽痛風(痛風の症状に似てますけど、こちらはピロリン酸カルシウムというものが沈着します)
⑤感染性の関節炎(細菌感染など)
⑥関節リウマチなど
症状として膝周りが腫れたようになり、赤く熱っぽい感じになったり、痛みや膝の曲げ伸ばしがやりにくいなど。
疾患によっては発熱する場合もあります。
こういう場合、最初は整形外科を受診し水を抜く(関節穿刺といいます)ことにより、症状が楽になりますし、水を抜くのは検査にもなっています。
どういう色になっているか、血液が混じっていないか?など調べます。
ただこれは本質的な治療では無いので、原因を見つけその治療をする必要があるわけで、炎症が治まらないとまた水がたまります。
水を抜くのが癖になることは無いですが、漠然と繰り返すのはマズイですね。しっかり治療しましょう。
あと水が溜まるような状態の時に普通の生活をおくると改善が遅れてしまいます。
普段どおりに立ち続けたり、歩いたり動き回るのは出来るだけ避けましょう。
極力膝に負担をかけないでください。
ちなみに以前、わたしが勤務時代のことですが、ご高齢の男性患者さんが膝が腫れて(水が溜まる)痛む、歩くのが大変という状態になりました。
年齢的にも大方、変形性膝関節症かな?と思いましたが検査の結果「偽痛風」でした。
腫れや痛みは服薬により改善されました。
何事も先入観をもって判断するのは過ちのもとですね。