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”冷え”で不調1
冬も終わりに近づいている時に”冷え”のテーマはちょっとタイミングが遅いような?
しかし冷え=冷え性なわけですから、冬など寒い季節はより顕著な症状が現れやすいですが、暖かい~暑い季節になっても症状が和らいだだけで、改善された訳じゃないですよね。
何と言ってもフォーシーズン対応ですから。
ところで”冷え”(冷え性)ってなんでしょうね?
そんな物質や物体が身体の中に存在する訳ではないし、ウィルスや細菌がもたらすものでもないですし。
ですから現代医学では冷え性という診断は存在しない訳ですね。
検査機器で皮膚温の測定で温度が低い場所を見つけたり、サーモグラフィーで視覚的に捉えることは出来ますが、病院ではそんな測定はしません。
飽く迄、冷感のある体質として捉えますので治療の仕様(薬剤など)がない訳です。
同じようにアレルギーも体質として捉えますので、薬剤で対症療法で軽減、抑えるだけですね(体質は治せないという感じです。まだこちらは薬がありますけど)。
冷えという概念は東洋医学(伝統的な鍼灸や漢方など)から来たものですね。
ですから東洋医学では”冷え”という状態やそのような体質にアプローチする方法がある訳です。
現代人にもわりと”冷え”と云う概念は馴染み深いのでは?
「冷えが万病を引き起こす」とか「〇〇の原因は冷えから来ている~」とか。
しかし概念は面白いですが、具体的に冷えを考えた時はっきりとした結論は出ていないと思います。
考えられることは以下の様なことでしょうか?
★血液循環障害(特に毛細血管系)←つまり血行障害、何らかの理由で血の流れが良くないということです。
★自律神経系の問題 ←血管の動きを調整したり、内臓の働きやホルモンの分泌にも影響します。
★筋肉量の不足 ←熱を産生しますので筋肉量が少ないと熱エネルギーが多く作れないです。
★体脂肪(皮下脂肪の過不足) ←ポットのように筋肉が産生した熱エネルギーを保温します。過不足無くが大事です。
★肝臓や腎臓、胃腸、心臓、肺などの機能の弱り(病気と言った意味では無く、働きが弱いと言う意味です)
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東洋医学でも五臓の働きを重要視していますね(単純に医学的な臓器と云った意味では無いんですが)。
★遺伝的な要素もあります。
後は疾患によっても冷え感(血行障害)をもたらすものもあります。
★貧血:(一般的に多い鉄欠乏性貧血)実際問題として「隠れ貧血」は多いと思いますよ。男女とも。
血液検査(ヘモグロビン値や赤血球数など)で基準値の下のラインに近い人は正常と考えず、貧血として対応した方がよろしいかと。
冷え性や頭痛、めまい、ふらつき、息切れ、疲れやすい、だるい…など起きやすくなる場合があります。
★甲状腺機能低下症:一般的な健康診断などでは検査項目に入っていませんので甲状腺ホルモン検査(血液検査)が必要です。
寒がり(寒さに弱くなる)、便秘、皮膚の乾燥、疲れやすい、元気が出ない、動作が鈍くなる…など起きやすくなります。
これも隠れ貧血同様、見逃しやすい疾患ですね。
★低血圧:一般的な低血圧は現代医学ではやはり体質として扱われてしまいます。
自律神経系の問題や心臓の血液を押し出す力が弱いと云うことですので冷え性と大きく関わって来ます。
★糖尿病
★動脈硬化による疾患:心臓ですと当然、血液を送り出す元の臓器ですから。
また脚の血管の動脈硬化が起きると血行障害による冷え感や痛みなども起きやすくなって来ます。
重篤化しやすいので早い処置が必要な疾患です。
★腰部脊柱管狭窄症:上記の脚の動脈硬化と似ていますが、痛みや痺れはもちろん冷え感を伴う場合があります。
★うつ病などの精神疾患
★薬剤性の影響:血圧降下剤や消炎鎮痛剤など。人によっては長期間の服用により血行障害や冷え感をもたらす場合があります。
ちょっと長くなりましたので続きは次回へ。
〈今回の締め〉
「冷え」という言葉は一般的になっており、「冷えのせいで具合が悪くなる、原因は冷えから来ている~」と考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、
ちょっと原因と結果が逆ですね。
身心に不調をもたらす原因があるから一つの状態、症状として冷え性(冷える)になるわけで、冷え性だから不調になる…わけではないです。
複合的な様々な原因(要因)があるから冷える(血行障害や熱エネルギー不足など)…ですね。