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漢方薬は?
漢方薬って服用されたこと、あります?
今では一般の内科や心療内科でも処方される事もありますし、ドラッグストアやネット通販でも購入出来ますので現代医学の薬程では無いにしろ以前よりは呑む機会もあるかもですね。
そんな漢方の話を専門家では全く無いわたしが拙い知識と実体験や人からの伝聞を交えてちょっと述べてみたいと思います。
まぁ、私見ですので興味のある方は、ちゃんと検索したり書籍など読んで調べて下さいね。
【漢方医学(東洋医学)の診断や特徴】
普通、病院などを受診した場合、医師の問診から始まり、血液検査やレントゲン、内視鏡、CTやMRIなど様々な器具や装置を使った検査を受け、診断名を付けられ治療に入る…といった感じで、わたし達は慣れていますよね。
当たり前の話ですが漢方の始まった時代から近代迄は検査機器などありませんので、医師は自身の五感を使った診断をするわけです。
話を聞いたり、顔色や表情、声の様子、舌の様子、脈の様子、お腹や身体を触ってみたりと…これらを「四診(ししん)」と云うそうです。
具体的に言うと問診してから脈に触れ状態を診たり(脈診)舌の様子を診たり(舌診)、お腹触って診たり(腹診)など行い患者さんの体力、体質、抵抗力に加え病気の部位、進展具合、性質、勢いなどを判断し、現代医学の診断名にあたる「証(しょう)」をたて、それに応じた薬の処方をするとのことです。
漢方(東洋医学)医学では現代医学的な診断名を付けませんし、逆に言えば現代医学的に診断名がはっきりしないとか、分かりづらい症状にも対応出来るわけです。
また現代医学だと内科、整形外科、耳鼻科…などそれぞれの科に分かれていますが漢方ですと一人の医師が全て対応出来ると言うことです。
この辺がやはり漢方医学の特徴ですね。
現代医学の医師は身体に触れてみたり患者さんの体力や体質などはあまり考慮しませんしね。
まぁ、これはこれで致し方無い点は多々ありますけど…。
【漢方の専門家は】
基本、医師と薬剤師ですね。
医師の場合は概ね、日本東洋医学会所属の専門医、指導医でしょう。
大体、内科の医師の場合が多いようです。
医師の場合、漢方の専門医では無くても漢方薬も処方出来るのでマニュアルなどをみて診断名や症状をもとに処方したりする場合があります。
ただ漢方医学の診断をもとに処方している訳では無いので通り一遍等(マニュアル通り)になってしまいますね。
ですからきちんとした漢方を望むなら専門医を受診し漢方(東洋)医学的検査、診断をして貰う必要があります。
薬剤師の場合は漢方専門薬局を経営されています。
普通の街の薬店、ドラッグストアにも漢方のエキス剤は市販されていますが、これらとは違います。
【医師(医療機関)と薬局はどちらが良い?】
医師(医療機関)の場合
「長所」
・概ね健康保険適用で受診出来る。
ツムラなどのエキス剤(医家用)を処方される場合が多いと思われますが、中には煎じ薬を処方する(或いはどちらか選べる)医療機関もあるようです。
・医師免許があるので身体に触って漢方的診察が出来る。
もちろん現代医学的検査なども可能な場合が殆どだと思います。
「短所」
・専門医が少ない。
普通の内科などであれば、だいたいどの地域でもいらっしゃるでしょうが、漢方専門医は中々、少ないです。
・処方出来る薬は保険適応対象薬のみなのでバリエーションが限られる、自由度がやや狭い。
薬剤師(専門薬局)の場合
「長所」
・医療機関で処方される漢方薬よりバリエーションが多い。
医療機関では健康保険で認可されている薬以外は保険適応では処方出来ません。
専門薬局は自費なので薬の扱える範囲が広いです。
薬局によっては煎じ薬をお店で煎じてパック詰めにしてくれる(別料金)ところや粉末剤を調合して処方してくれるお店など店舗によって違いがあります。
医療機関で、もし煎じ薬を処方されたら自身で煎じなくてはいけませんから、この辺のサービスはいいですね。
今は漢方専門薬局でもネット通販を行っているお店もありますので検索してみて下さい。
「短所」
・健康保険が当然、使えませんので薬の料金が高く付きます。
あ、これはわたし達のような整体院と一緒ですね(汗)
・薬剤師の資格のみですと医師のように脈やお腹などを触っての漢方的診断を行えない。
問診と場合によっては舌を診て判断することになります。
ただしその薬剤師さんが鍼灸やマッサージなどの国家資格をお持ちであれば脈やお腹を触れて診ることは可能になります。
法律的な制限ですね。
・やはり普通のドラックストアと比べると専門薬局は少ないです。
『結論』
先ずは普通にかかりつけ医など普通に現代医学の診断を受け、慢性疾患やら症状が多岐にわたる、心身症や自律神経系の不調などのように現代医学の治療のみでは中々、改善しにくい場合、漢方専門医や専門薬局に相談されるのがよろしいかと思います、
例:冷え性、片頭痛、アレルギー性疾患(呼吸器、皮膚疾患など)、胃腸障害、更年期障害、めまい、耳鳴り、疲労倦怠感、虚弱…などなど。
で、この場合、もし通院出来る場所に専門医がいらっしゃるならそちらがよろしいかと思います。
《追記〉私見ですが漢方は上記のような疾患にはわりと有用だと思いますが、整形外科的疾患(例:関節痛、腰痛、肩こり、痺れなど)にはちょっと弱いかな?と。
ちなみになんですが、当院があります成田市には残念ながら漢方専門医の医師はいらっしゃらないようです。
漢方専門薬局は数店あります。
☆下田康生堂(成田市幸町)
☆一粒丸三橋薬局(成田市仲町)
☆なりた安心堂薬局(成田市公津の杜)
漢方専門医の医療機関は成田市の近郊では
☆今田屋内科(佐倉市、内科)
☆あきば伝統医学クリニック(山武市、内科)
☆露仙堂クリニック(八千代市勝田台、婦人科・内科)
などでしょうか。
東邦大学付属佐倉病院は以前は漢方外来があったのですが、残念ながら今年2024年3月で閉鎖になるとのことです。
千葉大学医学部附属病院では漢方外来(和漢診療科)があります。
先述しましたが内科の医師でも漢方の場合、内科系のみならず皮膚科、耳鼻科、婦人科、眼科などの領域も対応可能なので詳しくはご相談されるとよろしいかと思います。
【漢方の誤解】
「漢方は副作用が無いので安心」「化学薬品と違うから安心」なんて思っていませんか?
そんなことありませんよ、現代医学の薬と同様に『薬』ですから副作用がでる場合もあります。
また漢方は何でもかんでも長く飲まないと効かない…などと誤解されませんように。
もちろん一定期間は服用しないと効果がわからない疾患も多くありますが、何年も同じ薬を飲み続けるものでもありません。
ですから無駄に長く服用するのも良いわけではありませんし、何かちょっとでも体調に異変を感じたら、一旦服用を中止し専門医なり薬剤師に相談してください。
【煎じ薬とエキス剤】
煎じ薬というといかにも漢方って感じですよね。
エキス剤だと気軽に服用出来る粉薬という感じですかね。
これ、どちらの方が良いかというと症状が重い…とか慢性的な症状、症状が多数ある…などの場合でしたら煎じ薬の方が有用ではないでしょうか。
ただ自分で煎じたりするのは面倒くさいです。
煎じてパック詰めにしてもらったり、簡単に煮だせるようにティーパック状にしてあるタイプだと良いんですけどね。
エキス剤の場合は比較的症状が重く無いような方はこちらで十分でしょうし、もちろん煎じ薬と同様な作用はあります。
漢方専門の医療機関でも大半はエキス剤かと思います。
エキス剤も水で服用するよりプチ煎じ薬として白湯にといで飲むのがお勧め…吸収されやすくなりますよ。
【漢方はいつ飲む】
普通の医薬品は基本、食後30分後と記載されている場合が多いですが、漢方は吸収を良くするために食間(空腹時)に服用と言われます。
ですが空腹時に飲むと気分が良くない、普段から胃の具合が良くない、飲み忘れたなどの場合は食後でも大丈夫です。
【漢方の効果が出にくい】
まぁ、どんな治療法であっても個人差がありますのであまり有効では無い場合もありますし、漢方単独では不十分な場合も多々あります。
あくまで治療法の選択肢の一つですね。
あとは薬の選択が適切で無い場合もあります。
患者さん側の問題としては
・生活習慣が改善されていない(これはどんな場合も当てはまりそうですね)
以下、述べるのはあまり指摘されているのを知らないので私見的になりますが、
・腸内細菌が乱れている、何かしらの問題がある。
・栄養素の摂取が足りない。
などがあるのではないかと考えます。
腸内細菌に問題があると薬の成分が上手く吸収されにくいですし、栄養が足りていないと身体が回復されにくいですから薬を飲んでも効果的では無いですよ。
例えば貧血タイプの方向けの薬もありますが、漢方だけだと貧血自体はあまり改善されにくいと思います。
やはり同時に鉄分やタンパク質、ビタミンCやビタミンB群の摂取も心掛けた方がより有効と考えます。
薬は栄養にはなりませんから。
ちなみにワタシは以前に二人の漢方専門医の診察と複数の漢方専門薬局に伺ったことがありました。
専門医の先生には皮膚科的疾患でお世話になったり、薬局さんは体調維持、改善みたいな感じでお世話になったことがありました。
薬局の場合は予算の関係で短期間でしたけど…。