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洗いものはお湯で、ですね
寒い季節の水仕事は嫌ではないですか?
おそらく大半の方はお湯を使われていると推察いたしますが?
しかし場合によっては「節約の為に水で~」という方もいらっしゃるでしょうし、ご高齢者の方で「昔から水を使うのが習慣だし、もったいない気がして…」という方も実際いらっしゃいました。
たしかに節約の為などは大変よろしいのではと思いますが、ご高齢者の方や普段から高血圧の方などは温度設定は低めにしても冷水を避けた方がよろしいかも?です。
なぜか?といいますとある程度の時間、冷水で手を冷やしていると血圧が上昇するという話もありますので(そうでなくても身体が冷えそう)
失礼な話になってしまいますが「年寄りの冷や水」ということわざもあるくらいですからね(本来の意味とは違うかもしれませんが?)
ワタシ自身は計測し実証したことはありませんが、十分ありえると思います。
足湯ってありますね?
全身を湯に浸けなくても身体全体が暖かく感じたりしますが、逆に冷水を浸ければ全身が冷えて来ます。
同じように手湯(足湯の手バージョンです)があります。
これは洗面器などに42℃位のお湯をはり、手首位迄を湯に浸けておくやり方なんですが慣れてくると手のみならず腕全体も温まってくる感じがしますよ。当院では手指、手、腕をよく使う方の疲労回復にお勧めしております。
ということは冷水を使うとこの逆になるわけですから手~腕、また肩の方まで血流が悪くなる可能性がありますので出来ましたら、繰り返しになりますが冷水では無く温めでもよいのでお湯に変更されますことをお勧めしたいです。
ご高齢者の方、高血圧症の方、ついでに肩こりや腕に不調のある方もですね。
風呂キャンセル
最近の出来事で某俳優(女優)の中山さんの湯舟内で死去されたあと久しぶりにマスコミでは「ヒートショック」が取り沙汰されていましたね。
結局、その後の不慮の事故とだけ報道されたようですが…。
ともかく冬はヒートショックには気を付けたいものですね。
寒い時、お風呂に入って温まるのは非常に気持ち良いですが危険も伴うこともあるわけで、実際自宅内での65才以上の死亡率の高い場所は浴室だそうですから…はい。
で、ヒートショックですがこれは急激な温度差により血圧が大きく変動することによる健康被害です。
このところ血圧の記事を書いておりますがこれも血圧が絡む場合が多いという事です。
よくあるケースが温かい部屋から(副交感神経優位で血圧安定)→寒い脱衣室で服を脱ぐ(急激に寒さにより交感神経優位となり血圧上昇)→浴室→湯舟(温まり副交感神経優位になり血圧下降)とまぁ短時間の間に血圧が変動してしまうわけですね。
ヒートショックの症状としてめまいやふらつき立ち眩み、ひどい場合は失神など(そのまま溺死する可能性もあります)
これらは「急性低血圧」の症状です。
また場合によっては心筋梗塞や脳梗塞の引き金になることもありますので要注意です。
『どのような方が注意』
まずはご高齢者(特に75才以上、基礎疾患があれば尚更)
その他、高血圧症や糖尿病、めまいやふらつき、立ちくらみなど起こしやすい方。
『対策』
以下のような内容がよく云われています。
●脱衣室や浴室内を暖めておく
浴室暖房があるといいですよね。
天井埋め込み型で乾燥機付きなんて凄いですけど、後付け可能な壁掛けタイプなども市販されているようです(4~8万円位)
はい、残念ながら我が家にはありません…。
脱衣室では小型温風器を使用しているのですが、浴室は寒い…残念。
はい、ヒートショックには気をつけます。
とりあえず仕方が無いので入浴前に湯舟の蓋を開けておき、湯気を立てる作戦です。
●湯温41度位、湯舟に浸かる時間は10分位を目安に。
以外に入浴って身体に負担になるんです。
長湯好きの方には物足りないでしょうが、短めの方が安全なんですよね。
特に熱めの湯に長く浸かっていると何となくだるいような、頭がふわっ~とした感じになりませんか?
●入浴前にコップ1杯位の水を飲む
脱水予防になりますね。
●食後すぐに入浴しない
人によっては「食後低血圧」という急性低血圧を起こしやすい方がいらっしゃいますのでリスクがあります。
そうでなくても消化にもよろしくないですよ。
ワタシとしましては湯舟の浸かり方としましてお勧めしたいのは、まず腕(手)や脚(足)など末端部に掛け湯 → 次にゆっくりとした速度で徐々に身体を湯に浸ける →
みぞおち付近までお湯に浸け2~3分位(半身浴風に) → 胸の上まで(肩口)まで浸けて3~4分位 → 再度みぞおち付近まで戻し3分位 →ゆっくり立ち上がり湯舟から出る、です。
~肩までどっぷり浸かり続けるのはけっこう負担があります~
湯舟にはしっかり浸からないと物足りない方には嫌われますが、高血圧の方や高齢者の方、疲労が溜まりすぎている方にはちょっと半身浴風にした方が無難ですよ。
『若くて基礎疾患が無い方は?』
はい、もちろんリスクは低いですが「絶対、大丈夫」とは言えません。
特に睡眠不足や疲労困憊、何らかの体調不良の時はやはり要注意ですね。
とくにお酒を呑み、酔った後。
これは出来る限り避けたい。
ヒートショックが起きる場合もありますし、ただでさえ寝落ちしてそのまま溺水、溺死のリスクだってありますので危険です。
ちなみにワタシも昔、酔って風呂に入り寝落ちしそうになったことがありました…無事でよかった~です。
こんなとき、また風呂面倒と思った時は迷わず『風呂キャンセル』ですね。
ところで以前はわりと温泉旅館にいったりしていたんですが、いいですね~
浴室内や脱衣場は暖かいし館内だって全て暖かい。
露天風呂に入っても寒いなんて思わない。
家に戻ってからの入浴と大違い。
温泉では温度差によるヒートショックはあまり無いんでしょうか?
湯当たりはあってもね。
ちなみにワタシ「ヒートショック」と「ヒートテック」をよく間違えます、はい。
ちょっと血圧2
前回の記事からご無沙汰になりましたが、続編です。
【血圧が高いとなにが問題か?】
これは動脈硬化が進行するリスクがあるからと云われます。
つまり脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの血管系疾患のリスクが高まりやすいというわけですね。
また他の要因で動脈硬化が進めば高血圧を悪化させるという悪循環を招いてしまいます。
高血圧の数値が~というより、ともかく動脈硬化は極力避けたいものです。
【動脈硬化の検査】
中高年世代で血圧が心配という方や遺伝的に心臓疾患や脳血管障害、糖尿病(現在、糖尿の人も)などある家系の方。
ぜひ頸動脈エコーや血管年齢検査(動脈硬化)と呼ばれるABI(エービ―アイ)検査やCAVI(キャビィ)という検査で調べて頂きたいものです。
全ての医療機関で実施している訳では無いので要検索&要問合せ(循環器内科や一般内科でも実施している医療機関がありますが全体的には少ない感じ?です)
ただし血管年齢だけを目的にした場合は保険対象外になるので自費診療となります。
【高血圧に症状はあるか?】
よくサイレントキラーと言われることもあるようですが、人によっては症状がみられる場合があります。
●頭痛 ●頭重感 ●頭がボーとする ●頚肩こり ●めまい ●ふらつき感 ●疲労感 ●動いた時に息切れ ●朝の起床時に頚や肩が重い凝った感じ(夜間高血圧の可能性)など
これらの症状の特徴としては血圧が下がる(下げる)と改善する点ですので、血圧が下がっても残る場合は他の原因が考えられます。
【上の血圧、下の血圧】
血圧を尋ねた時、両方を答える方は割と少なく上の血圧のみ答える方が多いのではないでしょうか?
どちらも大事なんですけどね。
ちなみに上の血圧(最大血圧、収縮期血圧)と呼ばれ、下の血圧(最小血圧、拡張期血圧)と呼びます。
そして最大血圧(上)から最小血圧(下)を引いた数値を『脈圧』と呼びます。
この脈圧など気にされる方は少なそうですが、これも大事ですよ、単純に「上の血圧が高い」かどうかだけでは無いです。
●脈圧は60㎜以下が目安で出来れば40~45㎜位が良いです。
●65㎜以上の方は動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞など要注意です。
また年齢的には比較的60才以上の高血圧の方に起こる可能性が高く、主に太い血管(大動脈など)に動脈硬化の進行があると 、下の血圧はなんと逆に下がって来る場合がありその為、脈圧の数値が高くなるわけです。
ですから下の血圧も「低いから大丈夫」では無いんですよ。
では50才未満の方の場合はどうか?
下の血圧が高い方ほど細い血管(末梢血管)の動脈硬化が進行している可能性があります。
一般的に動脈硬化は末梢の細い血管から進行していきますので、放置しておけば次第に全身の細い血管に拡がってしまいますので心臓に負担をかけたり脳の細い血管で生じれば微小脳梗塞のリスクがあります。
若いからといって油断は出来ませんよ。
ちなみにこのような細い血管の動脈硬化の指標として『平均血圧』というものがあります。
算出法は「下の血圧+(上の血圧-下の血圧)÷3」です。
例:上の血圧が160,下が70の場合、計算式は「70+(160-70)÷3」となります。
①160-70=90
②90÷3=30
③70+30=100
平均血圧=100㎜となります。
「平均血圧」と「脈圧」は年齢に比例して上昇します。
●健康な方の平均血圧の目安は90㎜程度。100㎜以上は細い血管に動脈硬化が起こってきている可能性あり。110㎜以上の方は進行している可能性が高いと考えられます。
更に「腕の血圧の左右差」というものもあります。
本来、健康な方は左右どちらの腕で測定してもほとんど差はありません。
●左右差が10㎜以上ある場合、動脈硬化が進行している可能性あり。
● 〃 20㎜以上ある場合、要注意です。血圧が低い側のどこかで動脈硬化が進行し、血管がかなり狭くなって来ている可能性が高くなっています。
また左右差が大きい方ほど生活習慣病が多い傾向がみられています。
それにもっと重大な問題である「大動脈瘤」なども懸念されますので要注意です。
普段、血圧の左右差など健診や医療機関を受診しても計測することはありませんので、ご自宅で少なくとも年に1~2回は調べてみますことをお勧めします。
そして左右差が大きい場合は循環器内科(または内科)を受診し、詳しく検査して頂きましょう。
最後になりますが、「血圧」という言葉が気軽にありふれたように使われているので単純に高いとか低いとかで終わってしまいがちですが、実はなかなか大事な問題ですよ。
ちょっと血圧
血圧がどうのこうのなんて気にするのはもっぱら、中高年以上の方と相場が決まっていそうな気が…。
健康診断などで要注意になったりで。
まぁ40代前半位ですとまだ心配ない方が多そうですけど、油断無くちょっとは考えておきましょ。
早めに対処しておけば後でどうのこうのしなくても良いかもしれません?からね。
しかし現在の高血圧の基準値はけっこう厳しいような気がしませんか?
ワタシなんかはちょっとどうなの?と思いますが。
うん、心配して却って血圧上がりそうです。
よく捉えれば、血圧って薬を飲めば良いって問題では無いので、生活習慣を変えるきっかけになるかもしれませんね?
生活習慣病などはご自身の健康管理がものをいいますので…はい。
というわけで中年期に入ったら『1家に1台』血圧計を用意してはいかがでしょうか?
なぜなら医療機関で計測する時は、ドタバタした状態で駆けつけて計測したり、緊張することもあるでしょ。
そうすると血圧も変動して正しく計測出来ませんよね。
そこでリラックスして計測出来るようにご自宅での計測を基本にしましょうという事です。
【血圧計】
上腕式血圧計(カフタイプ)←二の腕に巻き付けて計測するタイプを基本に考えましょう。
値段は1~2万円位が相場でしょう。
手首式タイプはちょっと正確性に劣るので選ばれないほうがよろしいかと。
ちなみに病院などに置いてある腕を本体に差し込んで測るタイプを上腕式血圧計(アームタイプ)と言います。
本体の使い方は取説をご覧いただくとして、これも記載されているとは思いますが注意点を述べます。
●姿勢:椅子に座り軽く背筋をのばす。
●カフ(腕に巻き付ける部分)の中央部が心臓あたり(乳頭)の高さに腕の高さを合わせる(テーブルなどが低い場合はクッション、タオル、本などで調整しましょう)
腕の高さで血圧も少し変動してしまう可能性がある為です。
●リラックス
先述しました通り、医療機関での計測はなかなかリラックス出来ませんよね。
自宅で計測する時は椅子に座り数分間、ゆっくり呼吸(普通の呼吸です)して落ち着いてから計測しましょう。
ご存じの通り、血圧はわりと変動しやすいものです。
動いたり、緊張や不安感、食事、入浴、睡眠または朝と夜など多少なりとも変わるのでリラックスが必要なんですね。
●1日に2回の計測
朝起床後1時間以内(排尿など済ませ、食事などを摂る前)
就眠前(食事や入浴などした場合は出来れば1時間位経ってからの計測が推奨)
1回につき2度測ったほうがより正確な測定が出来る場合が多いです。
「しかし血圧なんていつまで測ればいいの…面倒くさいし、まだ高血圧じゃないし…」
とお考えになることでしょう。
既に高血圧でどうの…では無い方は年に1週間(7日間)計測して血圧の平均値(大体の平均値で大丈夫)をだして毎年比べる(経年変化)のがよろしいかと。
【血圧に問題が無い方も既に問題が指摘されている方も】
『仮面高血圧』と呼ばれるタイプの高血圧があります。
これは病院などで計測した時は問題無い為見逃されやすいタイプです。
●「早朝高血圧」
病院などで計測値が140/90mmHg以下で、起床後1~2時間以内の血圧が135/85mmHgを超える場合とされています。
以下のタイプに分かれます(健康な人でも起床後、活動と共に血圧は上がります)
★高血圧持続型
本来は血圧は夜にかけて下がってくるのですが、就眠中も下がらずに持続してしまうタイプです。
糖尿病、腎臓障害、睡眠時無呼吸症候群などの方に多い傾向がみられるとされています。
★モーニングサージ型
就眠中は下がっているが、明け方から起床時にかけて急激に上昇するタイプです。
高齢者や血糖値やコレステロール値が高めの方、アルコール摂取が多い方に多いとされています。
「早朝高血圧のリスク」
心筋梗塞や脳梗塞は1日の中で発症率が高い時間帯は朝8時~昼12時の間が最多とのことです。
このため早朝高血圧の影響が懸念されています。
●「夜間高血圧」
本来、血圧は起床後活動と共に上がり(交感神経優位になるため)、夜間になると下がり就眠中は1番下がっている(副交感神経優位になるため)状態になります。
ところがこのパターンに当てはまらない状態があり主に2つに分かれます。
★夜間昇圧型
昼間より、夜間の方が血圧が上がるタイプ
★夜間非降圧型
夜間になっても血圧があまり下がらないタイプ
●夜間高血圧の原因の可能性
慢性心不全、慢性腎臓病、糖尿病、自律神経失調症、睡眠時無呼吸症候群
またストレスや睡眠不足、肥満などの影響も懸念されます。
●「職場高血圧(昼間高血圧)」
例えば年1回などの健康診断や、家庭で計測した時は正常値でもストレスが掛かる環境下では血圧が上昇してしまうタイプです。
慢性化した高血圧と違い、これは自律神経の交感神経が働きすぎての結果ですので、30代位の若い方でも起きうる現象です。
これを計測するのはちょっと面倒ですね。
さすがに普通の上腕式血圧計を持ち歩くわけにもいかないので、手首式の血圧計を使わないと無理でしょうか。
アップルウォッチは脈拍や簡易的な心電図計測は出来るようですけど、血圧測定は無いんでしたっけ?
計測出来ると便利ですよね。
あ、でも簡易的な睡眠時無呼吸症候群のチエックは出来るらしいので、これ良いですね。
「白衣高血圧」
普段の血圧は正常値でも、病院など医療機関で計測すると緊張で血圧が高くなるタイプです。
計測前に数分間安静にしてから測っても高くなってしまう場合は、緊張により交感神経が働きすぎての血圧上昇が考えられます。
上記の職場(昼間)高血圧と同じですね。
初めての病院などで計測した時は緊張して高くなるのは当然ですが、何回も通院しているのに高くなってしまう場合はこれが疑われます。
ストレスに敏感な方、自律神経が乱れやすい方などにこのような現象が起きやすいようです。
●血圧はだれでも1日を通して変動しますし、何かしらの行為によっても変動します。
が、偏った変動には要注意ですね。
常に血圧が高すぎるの問題でしょうが、普段は正常でも急に上昇すること(変動が大きい)場合はより血管などにダメージを与えやすくなる為これまた注意です。
このように単純に数値が高い低いと言ってるだけの問題ではなさそうですね。
長くなりましたので次回に続きます。
頭痛持ちさん
前回は『薬物乱用頭痛』の記事でしたので、今回は頭痛の話題ということで…。
何でも日本では片頭痛持ちの方がなんと推計約840万人もいらっしゃるとか?
緊張型頭痛の方はそれ以上で1000万人を超えているとか?
代表的な慢性頭痛の2つですが、え~凄い人数ですね。
それぞれ個人により症状の軽重は違えど悩みを抱えている方は多いってことですね。
通りでドラックストアに鎮痛剤が多種類並んでいるのも納得です。
我慢しながらでも、薬を呑みながらでも仕事や家事などされている方は凄いです。
ちなみにワタシは痛みに弱いので、頭などが痛かったらなんも出来ません、なんも考えられません。
まぁ、普段頭痛が起きることは無いので助かっていますが。
頭痛持ちで自分の頭痛のタイプをご存じの方でしたら、今さらでしょうが取り敢えず簡単に説明を致します。
★『片頭痛』
●原因ははっきりとは解明されていない、三叉神経の炎症や血管の収縮や炎症などの説が現段階では有力。
●”前兆”が起こる場合がある(片頭痛の方の約20~30%程度)
「目の前が光ってチカチカする、ギザギザした光ったものが見える、オーロラのようなものが見える…など」
●”予兆”(片頭痛の方の多くが経験する)
発作が起きそうな予感です。
「倦怠感、疲労感、眠気、生あくびが出る、頚や肩がこって辛い、無性に甘い物を欲する、妙にお腹が減って食欲が湧く、落ち込みやイライラ…など」
●発作は4時間~72時間位
●通常は月に1~2回程度だが、多い人では週に数回の場合もある。
●頭痛と伴に吐き気を催したり、嘔吐する場合もある。
●主に片側の頭痛(両側の場合もある)
●痛みは拍動性(脈をうつ感じの痛み)
●発作中は光や音、匂いに敏感になる(普段から比較的これらに対し敏感なタイプの方が多いようです)
●身体や頭を動かすと、症状が悪化しやすい。
●発作中は日常生活に支障が出る位の痛み(中等度~重度の頭痛)
●発作は月に1~2回位の場合もあれば、週に数回起きる場合もあり個々による。
●男女比 男性<女性(圧倒的に女性が多い、年齢的には30~40代が多い、高齢者は少ない)
●性格的には責任感が強い、完璧主義傾向、神経質傾向、繊細などの傾向がみられる事がある。
「誘因となるもの」
●遺伝しやすい
子供でも片頭痛になる(小学生でも片頭痛になるケースもありますが、10代後半位から発症するケースが多いようです)
●女性ホルモンの影響を受けやすい
生理の前後に発作が起きたり、妊娠中は片頭痛があまり起きなくなったりする場合があります。
出産をきっかけに片頭痛になる方もいらっしゃいます。
●気圧の変化や湿度など天候の影響を受ける場合がある。
気象病(天気痛)のような状態。
●ストレス
交感神経モードの状態から副交感神経モードの状態に変わった時など発作が起きやすい。
(週末の休日前や仕事が終わった夕方、緊張や集中していたことから解放された時など)
●飲食
お酒(特にワイン)飲酒は自分の適量を知っておくべきですね。
チョコレート、ハム、ソーセージ、チーズ、ナッツ、タバコ(これらは個人差があります)
カフェイン(少量でしたら逆に抑制効果があるようですが、量が多いと痛みが誘発される場合があるようです。
コーヒー、エナジードリンク、脂肪低下作用の効果を謳っている緑茶(トクホ)、総合感冒剤(風邪薬系)鎮痛剤等。
●睡眠の過不足
寝過ぎや寝不足どちらも影響するようです。
●人混み
気疲れでしょうか。
●空腹
血糖値の変動ですね。
3食食べて間食は控えめに、そして腹8分ですね。
●匂い(香水やら柔軟剤、タバコなどの化学物質の匂い)
●光(強い照明や点滅する光など)
●音
片頭痛の方は発作中はもとろんのこと、普段でもこういったものに対して過敏な方が多いように思われます。
「併発していると片頭痛を悪化させる他の疾患」
●慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
●貧血
●甲状腺機能低下症
●甲状腺機能亢進症
●糖尿病(境界型であっても)など
「子供の片頭痛」
●親が片頭痛持ちの場合、遺伝する可能性が高い
●大人ほど特徴的な痛み方はせず、頭の片側がズキンズキン痛むというより頭全体の締め付けら感が強い場合が多い
●頭痛はいきなり始まり、短時間(1時間~半日)で治まる事が多い
●週末よりも週半ば位に頻度が高く、週末はあまり発作が起きない事がある●運動後、頭痛がおきる事がある(運動により血管が拡張する為)
●頭痛はそれほどひどく無いのに、腹部症状(吐き気、嘔吐、下痢)が強く出る場合がある
●低血圧傾向、めまい、立ち眩み、乗り物酔いしやすいタイプの子供は片頭痛持ちになりやすい可能性がある
●早いと幼稚園児位の年齢から頭痛がおきる場合がある
●女子の場合、初潮前後から痛みがはっきりと現れてくるケースが多い
★『緊張型頭痛』
●後頚から肩周りの筋肉の持続的な緊張が原因とされ頭部から頚筋を中心とした頭全体が、締め付けられるように痛むのが特徴
●筋肉の緊張が高まると、筋肉内の血流が悪くなり、周りの神経が刺激されその結果、痛みが起こるとされている
●精神的ストレスや過労、疲労、同じ姿勢を取り続ける、運動不足などが影響している
●いったん頭痛が起きるとその痛みにより更に筋肉の緊張が高まり、頭痛が悪化するという悪循環に陥りやすい
●頚や肩のこりを伴うことが多く、他にふわふわしためまいや眼の疲れ、倦怠感が頭痛と共に現れる場合がある
●痛みはいつとはなしに始まり、ほぼ毎日だらだらと続くやすい
●1日の中では午後から夕方にかけて痛みが増す傾向が多い(疲労による)
●片頭痛のように身体を動かすと痛みが悪化したり、吐き気、嘔吐、匂いや音、光に過敏になるということは無い
●頭痛は人のより数か月から年単位で続くこともある
●緊張型頭痛には片頭痛のようには男女比(片頭痛は女性の方が多い)に差が無く、年代的には中高年が多いものの、子供から高齢者に迄幅広い年齢層に見られる
以上、それぞれの頭痛のタイプの違いを簡単に述べてみました。
★【あなたはどちらのタイプでしょう?】
ご自身がどのタイプの頭痛なのか良く分からない?
実は頭痛のタイプを間違えていた!
このようなケースは以外に多くみられる事があります。
(もちろん片頭痛や緊張型頭痛以外の場合もあります)
①もしご自身の頭痛がどの頭痛か分からない、痛みがひどい、痛み以外にも他の症状がある、頭痛の頻度が多い…。
などそのような方。
②また、たまに痛みの為、鎮痛剤を服用している程度あればまだしも、頻繁に服用している、最近鎮痛剤の効きが悪くなった…などの場合は前回ご紹介した「薬物乱用頭痛」になっている可能性も考えられます。
上記のような方はぜひ『頭痛外来』を標榜している医療機関や『頭痛専門医』の医師に相談しましょう(内科ではありませんよ)。
安易に自己判断で市販薬や内科で処方される鎮痛剤に頼ってしまうのは考えものです。
●片頭痛であればトリプタン製剤(頭痛薬)が処方されるでしょうし、予防薬もあります。
★『セルフケア』
●「片頭痛」
痛みの発作中に自身で痛みを緩和させる方法は困難でしょう。
対処法としては薬以外では「静かな薄暗い部屋で横になり休む」「カフェインを少量摂る」「痛む場所や頸動脈部を冷やす」などでしょうか。
予防策としては「食事は3食規則的に摂る(血糖コントロールの為)」「睡眠は規則的に…寝不足や寝過ぎはしない」「先述しました食品類などが誘発要因であれば避ける」「過労、疲労を避ける」「ストレス対策」などでしょうか。
とはいえ中々難しい点もありますね。
●栄養素
片頭痛予防に有用とされる栄養素に「マグネシウム」「ビタミンB2(出来ればビタミンB群全般の摂取が望ましい)」「鉄(貧血傾向がみられる場合)」など。
マグネシウムとビタミンB群は「緊張型頭痛」の方にも有用です。
●漢方薬
片頭痛によく処方される漢方薬として「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」があります。
しかしこの薬単独では効果が出にくい方が少なからずおり、そのような場合「桂枝人参湯(けいしにんじんとう)」を併せて服用するとより効果が高まると云われます。
生理周期に伴う頭痛の場合、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)が有用な場合もあります。
こちらに紹介しました漢方薬は、あくまで症状に対して用いる方法であり比較的軽めの頭痛には有効な場合もありますが体質的な面を考慮したり、より症状が重い場合などは漢方専門医(医師)の処方を受けるのが望ましいです。
●「緊張型頭痛」
「気分転換を行う」(精神的ストレスの軽減)
「適度な運動(ストレッチやウオーキングなど)」(血流を良くする、気分転換にもなる)
「頚や肩まわりを温める、入浴する」(血流を良くする、リラックス出来る)
「同じ姿勢で長時間作業をしない」(筋肉疲労の予防)
「眼を使い過ぎない」(スマホやPCの見過ぎなど注意!眼の疲労は頭痛の誘因になります)
「高すぎる枕に注意」など。
ご存じの内容が多いでしょうが、これらは予防、対応策として推奨されています。
●栄養素
片頭痛と同様です。
●漢方薬
片頭痛と同じ漢方薬で対応されています。
他には葛根湯(かっこんとう)、釣藤散(ちょうとうさん)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼつれいとう)などがあります。
ただ、どれが適しているかを判断するのは難しいでしょう。
『ご注意』
ご自身の頭痛が「片頭痛」か「緊張型頭痛」か?はっきりと分かりやすい症状であれば自己判断も出来るかもしれませんが、実際難しい点もあります。
例えば緊張型頭痛でも吐き気を伴うことがありますし、緊張型の特徴である頚や肩こりなどは片頭痛でも起きる場合が多いです
(片頭痛の痛みが頚や肩の筋肉を緊張させてしまうことはよくあります)
また、ご存じ無い方も多いかも知れませんが、実は「片頭痛」の方は「緊張型頭痛」を併発しているケース(混合型)も多く見受けられます。
こうなってしまうとどちらのタイプの頭痛なのかわかりにくですね。
ワタシの知る例では、同一姿勢を取り続けての作業で筋肉疲労を起こし、軽い緊張型頭痛が起き、それが引き金になり片頭痛を誘発されていた方もいらっしゃいました。
また「薬物乱用頭痛」に陥ると片頭痛の方でも脈打つ痛みから緊張型頭痛のような頭全体を締め付けられる痛みにかわってしまうケースもあるようです。
このようにどの頭痛か判断がつきにくい場合もあるという事ですね。
『整体などでは?』
頭痛の中では純粋な「緊張型頭痛」は施術を重ねることにより比較的、痛みの緩和改善が見られやすいでしょう。
「片頭痛」の発作中の痛みの緩和は困難の為、発作の無い時に施術を行い痛みの起きにくい状態にする必要があります。
また片頭痛の場合、先述しました通り緊張型頭痛との混合型のケースが多いので緊張型の面が解消されただけでも片頭痛の痛みも楽になるでしょう。
『最後に』
今回、一次性頭痛(機能性頭痛 ← 特定の病気を原因としていない、いわゆる慢性頭痛)の中でも代表的な片頭痛と緊張型頭痛を取り上げました。
もう一つの「群発頭痛」と言われるタイプの頭痛は取り上げませんでした(ワタシがこの群発頭痛の方と今迄お会いしたことが無い為です)。